なぜ身体は硬くなる?
患者さんから
- 身体が硬くて腰が痛くなる
- ストレッチを頑張っているけど効果がイマイチ
- 柔軟性を高めるためにはどうしたらいいですか?
この様なご相談を受けます。
確かに、日常生活を過ごす中でも、スポーツをするにあたっても、身体の柔軟性は非常に大切です。
でもストレッチを頑張ったからと言って、身体が柔らかくなるわけではないんです。
でもいくつかのポイントを押さえることで、身体の柔軟性は良くなります。
知ってほしいポイント
まず、柔軟性をアップするにあたって知ってほしいポイントは
- 身体の安定性
- 自律神経と内臓、筋肉の関係
大きく分けるとこの2点になります。
難しく思えるかもしれませんが、大丈夫です。
今からゆっくり解説していきますからね😊
身体の安定性
まず身体の安定性についてです。
身体が安定しているから、僕たちはスムーズに動くことができます。
何気なく手をあげる動作も
例えば、バランスボールに乗った状態の様に身体がグラグラしていては思う様にあげれませんよね。
身体の安定性は2つに分けることができます。
静的安定性
動的安定性
この2つです。
・静的安定性とは、座っている、立っている、など自分の身体が動いていない状態の時の安定性を意味します。
・動的安定性とは、歩く、走る、など運動中の安定性を指します。
この静的安定性と動的安定性を担ってくれているものは、それぞれ別々にあります。
下の図を参照にして下さいね✨
静的安定性は骨が担う
動的安定性は筋肉が担う
ここのポイントをまず押さえて下さい。
自律神経と内臓、筋肉の関係
次に自律神経と内臓、筋肉との関係です。
自律神経とは交感神経と副交感神経の総称になります。
それぞれの神経の働きは
・交感神経→身体に頑張れの指令を出す
・副交感神経→身体にリラックスの指令を出す
こんなイメージです。
もう少し詳しく自律神経の働きをお伝えしたいのですが、様々な役割が自律神経にあります。
今回は内臓の動きに注目してお伝えします。
簡単にまとめたのが下の図です。
交感神経が働いた時、内臓は膨張して下垂します。
- 下腹がへこまない
- ぽっこりお腹だけ痩せない
そんな人は自律神経の乱れが起きています。
なぜ下垂させるかというと、人間は二足歩行をしたことで、常に急所(腹部)を相手に見せてる状態です。
この時にストレス反応が起きると、身体は内臓を守るため、内臓を下垂させて、身体を丸めやすくします。
これを闘争逃走反応といいます。
逆に副交感神経神経が働くと、身体はリラックスしてくれます。
そして、胃や腸の動きが活発になります。
胃や腸には内臓平滑筋という筋肉があります。内臓を動かすための筋肉です。
この筋肉は自分の意思では動かせません。
授業中や会議中にお腹が鳴った経験は一度はあるのでは?
グルグル鳴るのを止めようと思っても、自分の意識ではどうにもなりませんよね。
この筋肉があるから、食べ物が胃や腸に入った時にミミズの様にクネクネ動かせて、食べ物を溶かしたり、次の臓器に運んだり出来ます。(これを蠕動運動と言います。)
蠕動運動がスムーズに起こると、内臓は収縮して本来の位置に戻ります。
治療中にお腹がグルグル鳴り出したり、治療後に下腹のポッコリ感が軽減するのは、自律神経のリズムが整うからです。
下腹のポッコリを改善するためには、腹筋だけでは改善されません。
必ず自律神経のリズムを整える必要があるんです。
交感神経優位の人が大半
自律神経のお話をしてきましたが、ここからが大切です。
- 交感神経神経は身体に頑張れの指令を出す。
- そして交感神経が優位になれば、内臓は膨張して、ポッこりお腹になる。
そして残念ながら、大半の人がこの交感神経優位の状態になっています。
交感神経優位の状態になってしまう要因は
- 食生活の乱れ
- 食品添加物の影響
- パソコンやスマホの電磁波の影響
- ストレス
- 過労、睡眠時間の減少
- 睡眠の質の低下
この様なことが、考えられます。
スマホやパソコンを無しにして日常生活を送ることは不可能です。
食品添加物だって身体に悪いのはわかっていますが、無くすことはかなり難しいです。
つまり、普通に日常生活を送ればそれだけで交感神経優位の身体になってしまいます。
残念ですが、そんな世の中になってしまいました。
先ほど、身体の安定性の図を出しました、あれは自律神経が乱れていない場合の図です。
交感神経が優位になった時、身体の安定性は次の様になります。
言い換えると、
身体を固めないと、立つことも、歩くことも出来なくなっています。
身体は無闇に身体を硬くしません。
自分の命を守るために、固めてくれています。
この流れを無視してストレッチをしてしまうと(開脚など股関節周りのストレッチを行なった場合を想定)
ご高齢の方は
- 身体のバランスが取れなくなって転倒のリスクが上がってしまう。
- 骨に過剰な負担がかかり変形のリスクが上がる
子供の場合
- 強引な開脚などのストレッチは腰椎(腰骨)の過度な前弯を作る。
- 中学校から高校時代にすべり症やヘルニアのリスクが高まってしまう。
女性の場合
- 子宮や卵巣が押しつぶされることによる生理痛の悪化
- 股関節の捩れからくるO脚やX脚
- 外反母趾の悪化
- 肩や首で姿勢を維持しようとするので、慢性的な肩こりや首こり
などが考えられます。
もちろん一概に必ずそうなる訳ではありませんが、僕が患者さんをみてきた時にこのようなケースが多かったのは事実です。
ストレッチはやってはいけない??
僕は闇雲にストレッチを否定したい訳ではありません。
ストレッチは素晴らしいですし、ストレッチだけでなく、ヨガやピラティス、その様な運動はどれも素晴らしい。
ただ、
- 身体が硬いから、痛みが出る
- 身体を柔らかくすれば、痛みがなくなる
そんな短絡的な思考に陥って欲しくないだけです。
身体は常に、自分の命を守るために最適な状態に保ってくれています。
それは痛みがあろうが、身体が硬かろうが、
その状態が最適と判断すれば、その状態を作り維持します。
身体が硬くなる背景、そこに目を向けてほしいだけです。
自分の身体に思いを馳せる、
理解できなくても、どうなっているかと興味や関心を向けてあげる。
その後にストレッチをする。
それだけでも今まで以上の効果をストレッチで感じれますよ。
最後に、僕がオススメする、柔軟性アップのセルフケアを紹介しますね。
セルフケア
まずは、自律神経のバランスを整える。
ここが乱れていては、何も始まりません。
自律神経のバランスを戻すには正直少し時間がかかります。
即時効果というより、続けていくことで大きな結果を手にすることができます。
ではご紹介しますね。
自律神経セルフケア
1️⃣ろうそくの火を見る
パソコンやスマホの光は、脳を興奮させますが、自然の火は脳をリラックスさせてくれます。ソロキャンが流行るのも意味がわかりますね
2️⃣自然に触れる
観葉植物を見るだけでも効果があります。自然の中を散歩したりは効果絶大です。歩く時はなるべく周りの音や景色を眺めることに意識を向けてほしいです。
3️⃣朝日を浴びる、月を眺める
これは体内リズムが整います。不眠気味の方はぜひ試してほしいです。
4️⃣自分の呼吸を感じる
深呼吸をする訳ではありません。ここまで吸えるここまで吐ける。今してる呼吸を観察するようにしてみて下さい。観察していると、もう少し吸えるな、もう少し吐けるなと、自然と深い呼吸に変わってきます。
他にもあるのですが、まずはこの辺を試してみてほしいです。
これと併用する形でストレッチを行なってもらっても構いません。
子供さんの場合は、柔軟性アップの為には、
ストレッチよりもバランストレーニングをオススメします。
①バランスボールの四つん這いで乗れるよにする。
最初はバランスをとる為に、力むと思います。練習して力まないで乗れる様になれば、
②今度は膝立ちで挑戦してみる。
身体を器用に扱える様になると、前屈は簡単に柔らかくなりますよ。
僕もバランスボールに乗れる様になった頃から、柔軟性がアップしました。
でもあくまでも、自律神経のセルフケアとセットでお願いします。
最後に
身体が硬くなるにも理由があります。
この内容を読んで、少しでも自分の身体に興味や関心を寄せていただけたら幸いです。
伝えたいことを、書かせてもらったら、かなり長い記事になってしまいました💦
最後までお読み頂きありがとうございます。
ご質問などありました、お気軽にLINEよりメッセージください。
お電話ありがとうございます、
なかひら整骨院でございます。